ブローチ


装飾品は、ぜんぜん使わなくて、なぜって、持ってることじたいを忘れてしまう。服とあわせることを想定してない。

持ってないわけじゃないと思う。化石のペンダントも買ったし、お花のイヤリングもしまってあるし、ゆびわはおばあちゃんからいくつかもらった。
でも、ついつけることを忘れちゃう。もったいないとは思うのだけれど。シャツとかブラウスって、ネックレスあわせづらいと思うのね。困る。シャツとかブラウスだいすきなのに。

ブローチは、シャツでもブラウスでもつけられるんだ。救世主。

木でできた、しろい馬のブローチ。つみきみたい。つかいすぎて、くすんで、ピンがとれてしまって、最近はしまってある。北海道の地から降り立った、草原はあんまり走れなさそうなしろい馬。やはり馬だよね、と言って、彼女と木の箱のなかを探し回った。

なにでできてるのかわからないけど、つやつやした、しろい馬のブローチ。きいろい紐がついてる。ほぼ日展のボタン屋さんで買った。彼女とおそろい。とてもよろこんでくれた。うん、そういうのだいすきだと思ったんだ。バッグとか、洋服につけてね。

陶器のきりんさんのブローチ。クリーム色で、ぴかぴかして、慎ましやかなのに存在感がある。彼女から送られて、贈られて、うれしくてゆびわや珊瑚と一緒にガラスの容器のなかにある。特等席。いつつけよう、どの服にあわせよう。考えるのも楽しくて、わくわくする。

葉っぱのブローチ。彼女の旦那さんが、病院でつくったという、手作りのブローチは手作りと思えないくらい。葉脈を境目にして、いろんないろが移ろって、パレットみたいにきれいだね。センスがよかったのよと、しあわせそうに言っていた。ただひとつのブローチ。

あおい夜の海としろい月のブローチ、というよりピン。まるい。音をぜんぶ吸い込むような、あおいあおい世界。彼女と鴨川シーワールドにいったとき、食べた牛丼屋の正面のちいさなお店。胸元に夜がたゆたうってすてきじゃない。彼女はそのときなぜか釘を買ってた。

つぎのおやすみには、どれかをつけていきたいな。

今週ながい。つらい。体力がもたない。ぎりぎり体調くずしてないけど、ほんとぎりぎりだと思う。