プール


だいすき。あの塩素の匂いでさえも。


職場の近くの、小学校で室内プールが解放されてるの。安い。前から知ってはいて、いけていなくて、誘われてはじめていった。


クロールで水をかくときの、あの感覚。平泳ぎの、ひとかきひとけりの前の、自分の呼吸だけがきこえるあの永遠。沈黙。ゆがむ視界。

くるしくて、酸素がなくてくらくらして、そこをのみこんだあとの、ランナーズハイみたいな一瞬。

ずっとずっと、泳いでいられると思える、刹那。


なんで陸上の生物に、生まれてしまったんだろうねえ。

私は水の中で生きていたかった。


来世に期待。シュモクザメエトピリカになりたい。