小川洋子氏の物語もすきだ。
しろい、ひたすらにしろい。
はじめに読んだのが、人質の朗読会だからかな。
しろいイメージしかないんだ。
いちばんすきなのはなにかと聞かれると、悩む。
猫を抱いて像と泳ぐかなあ。あれを読んだあとの印象が、いまも痛烈に、骨の奥に残ってる。思い出すだけで、きゅううと、涙が出る。
ことりもブラフマンもすきだけれど。
博士の愛した数式は、読んだことないんだ。ぜったいすきってわかってる。読みたいなあ。
いまは、不時着する流星たちが手元にある。ゆっくり、読もう。泣きながら。泣く理由もなく泣ける、そんな物語が小川洋子氏。
このひと自体が、物語のようだ。